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情報量という考え方

そうそう。どうすればより正確にコピーできるのか?
人によって違うと思うが、私の場合という視点であり一般論ではない。

ダンスの場合、よく、「同じ事をやってるんだけど同じように見えない」ということが多々ある。
雰囲気が違うからとか、キューバ人だからとか全く関係ない。同じステップを踏んでるのに同じにならないのは雰囲気とかオーラを原因にしたくなるが、どこかが違うからに決まっている。まぁ、外見というかスタイルもあるが、それは置いといて。じゃぁ、良いスタイルになって顔を黒く塗れば、同じように踊れるか?答えはNoだ。

さてどこが違うのか?
答えはケースバイケースなので書ききれないが、簡単に言うとコピーし切れていないのだ。
骨の数や筋肉(筋)のつき方、関節の数に至るまで、すべての人は同じなのだから同じようにできるはずである。アクロバティックな場合や熟練したバランスが要求される場合はのぞき、あくまで普通のダンスを行う場合。
まず、自分の場合、コピーの基本は重心と関節だと思っている。
リカちゃん人形よりももう少し精巧な人形をイメージして欲しい。なんだっけ?透明で手首くらいまでの関節が動かせる人形が合ったんだけどそんな感じ。これこれ!
http://www.takaratomy.co.jp/products/cyboag/
手足の指とかの関節はとりあえず省略して考えるとこの程度の関節を気にすれば十分コピーは出来ると思う。人間は二の腕や太ももの骨の真ん中で曲がったりはしないのだから。
重心がどの程度前後左右に行っていて、各々の関節がどっち向きになっているか?関節の可動域もあるので何万通りもある訳ではない。

この考えを押し進めて行けば、まるっきり同じ動きが出来る訳だが、全体で考えればその情報量はものすごいことになってしまう。もしそうだとすると、ポイントをしぼる必要があるが、普通はそんなにインプットできていないので別にポイントを絞る必要は無い。
圧倒的に情報量が足りていないのが普通だ。

ここで、やっとまた書道の話。
字を記号としてでななく、形として絵のようにコピーしなければいけない。
王羲之と空海では同じ文字でも全く異なった形になっている。
それをコピーする場合には大きく二つのポイントがある。
「紙の中での他の文字や余白とのバランス」と「文字の各パーツ」の形。
これを情報量という言葉に置き換えるとバランスに置ける情報量はサルサではそのままペア間の距離と言える。
また、各パーツの形は止めやハネ=タメやテンションの押し引き、線の太い/細いは重心の移動と言えるかもしれない。

と仮定した場合に、お手本(イントラ。YouTubeやDVDでも良い。)を見た時にどれだけの情報量を読み取るか?
ただ、「縦棒が何本で横棒と斜めがいくつ」という情報量ではその文字は書けるが、絶対に同じ形にならない。
同じ形にするためには
(1)紙のどこから始まって、文字はどのくらいの大きさ、文字間はどのくらい。
(2)各々の文字はどういうパーツで組合わさっているか?止めやハネなどはどのくらいの大きさ、長さ?
(3)途中、かすれているところや超太くしているところはどの部分か?
ということをお手本から読み取れば良い。
ここで、どれだけ多くの情報量を得ることが出来るかにかかっている。
(1)をこだわるだけでも作品としてはかなりいい雰囲気になると思う。

同じようにイントラのやり方を見て、カウント通りの動きを覚えるだけでは、ワザは出来るかもしれないが、それはその文字を覚えたのと同じだ。
できれば、その先生と同じように踊れた方が良いのだから動きだけでなく、相手との距離感や角度、手首、腕、肩の関節を動かす順番などの情報を少しでもインプットすべきだ。

「モノマネ」ではどうだろう?
コピーの情報量という考え方は、ほとんど同じと言える。
学生の時に先生のモノマネが上手だった人は良いダンサーになれるかもしれない。先生歩き方や癖をマネするのがスゴく上手い友人がいた。今考えると、他の人に比べて圧倒的に多い情報量をインプットした結果だったのだろう。

ちなみに良いコピーの裏技がある。たとえば、森進一や谷村新司のマネを覚えようとおもったら、本人ではなくモノマネの人のデフォルメしたやつをマネするのだ。本人を見てマネするのは至難の業だが、モノマネの人をマネするのは比較的簡単だ。これは、すでに特徴を整理した状態で強調しているからだ。どのスタイルでもイントラなど、さりげなく上手い人のまねは難しいが、上級者の大げさにやっている人のマネなら案外易しいのではないか?とも思う。
by lavida | 2011-10-30 20:38 | TIPS