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無人島に生きる十六人/須川邦彦

明治30年ごろの実話です。
これは面白い。
腕利きの船乗りたちが難破したのち、無人島に流れ着いて生還する話です。
調査のために出航するのですが、立ち寄り先での出来事も面白い。
途中海難に会いホノルルに寄港した際、海難報告書を役所へ届けるのだが、最初疑われて尋問を受ける。誠心誠意話をすると、アメリカの役人にも分かってもらえて、結局、各種税金や曳舟料金は役所が寄付しようと言い出す始末。日本人の礼儀、品行規律の正しい事で、外国新聞にも毎日記事が出る。出航前に
航海中は一滴も酒を飲まないという誓いを立て守っていた事には、外国人は全くびっくりしてしまったのである。世界中の船乗りの親友が酒である事は常識なのだ。挙句にはアメリカのキリスト教布教船が、この船乗りたちを高給で設備の良い自分の船にスカウトするのだが誰も相手にしない。その事がまた新聞記事になるといった具合。
多額の義援金が集まるのだが、「日本人だけでやることになっているので」と言って、船の修繕費ももらわない。
で、その後、座礁し、島に流れ着くのだが、流れ着いてすぐに以下の4カ条を決める。
1 島で手に入るもので暮らす(=ないものを欲しがらない)
2 出来ない相談をしない(=実現可能か考えてから言う)
3 規律正しい生活をする
4 愉快な生活を心がける
なので、大変ではあるのだが、悲壮感はない。
プロジェクトマネージメント、チームビルディングといった視点からも、自分もこうありたいと思わせる内容でした。
いろんな意味で読んで感動する本です。オススメです。
ちょっとワンピースっぽくもあります。ルフィと船長は全く違うけど。